今注目のエシカル。ファストファッションの裏には犠牲になった人たちがいる

スタイリストMAYU

エシカルって言葉聞いたことありますか。
聞いたことあるけど、どんな意味なのかエシカルってなぜ必要なのかを考えていきたいと思います。
日本では2009年ごろに徐々にエシカルという言葉が広がっていました。
実はエシカルという言葉は欧米では1980年代からエシカル消費、エシカル活動という表現で使用されていたんですよ。

 

目次

エシカルの意味

エシカルとは、「論理的な」「道徳的上の」という意味の形容詞です。

難しいかもしれませんが、簡単にいうと

「良心的に考えてみよう」

「人、社会、地球、環境に優しいもの」

という事です。

つまり…

「安くて良いもの」

「自分にとってどれくらい得か」

で選ぶのではなく、「生産者の事や環境、社会、地域の事を考えましょう」という事です。

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最近街中ではエシカル消費、エシカル商品が増えているなと感じています。身近なエシカル商品だと、ラベルレスのペットボトルがありますね。
環境を考えてプラスチックを削減した為あのような形になったと思います。
エシカル消費だと、地産地消の野菜を購入する、寄付付きの商品を購入するなどがあります。
また、買い物の際マイバックを持参、食べ残しを減らすことはエシカル行動と言えます。

サステナブルとの違い

サステナブルって言葉もよく聞きますが、ではエシカルとサステナブルの違いは何でしょうか。

サステナブルとは「持続可能な」「ずっと続けている」という意味で、「環境を守りつつ持続可能な状態をつくること」を表します。

エシカルと比べるとサステナブルは視野を広くしたイメージです。

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サステナブルの商品だと、例えばアパレルショップがお客様が着なくなった自社の洋服を回収しリサイクルして商品を作るなどがあります。
なので、サステナブルは製造、販売、廃棄までのリサイクルを通して、地球環境・社会・経済に配慮された商品のことです。

現在サステナブルな社会の実現が目標として掲げられています。
これがよく聞くSDGs「持続可能な開発目標」です。
SDGsは持続可能な社会を実現するために、2030年までに世界が抱える「環境・社会・経済」の課題解決を目指しています。

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下の画像を見たことがある方多いかとおもいます。
サステナブルな社会を持続するための17の目標です。

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現在企業だけでなく学校などでもSDGsへの関心が高まっています。
私の子供は小学校の授業でSDGsの勉強をしたそうです。
環境問題、ごみ問題を取り上げて課題を発表していました。
大人だけでなく子供にもSDGsは広がっていますね。

ファストファッションのメリット・デメリット

さて、エシカルをファッションの観点から考えてみたいと思います。
株式会社NATUREのパーソナルサービスを利用した方にアンケートをお願いしました。

ファストファッション、セレクトショップ、デザイナーズブランドの中で購入したことのあるお店を選んで貰いました。その中でファストファッションが45.5%を占めていました。

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ファストファッションのお店は数え切れないほどありますよね。
ファストファッションを取り入れている方はとても多いと思います。
私も特に産後は低価格で汚れても気にならない理由で買うことが増えました。

では、ファストファッションのメリットは何でしょうか。

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ファストファッションは流行のアイテムを手頃に手軽に買えることです。
流行のアイテムを最初に取り入れるには良いですね。
また、大量生産されることで全国のショップで購入でき、引っ越しをしたり帰省先でも購入出来ます。

ちなみに。なぜファストファッションが安く買えるかというと、ファストファッションで売られている一般的な生地はどこで買っても価格があまり変わらずに買えます。

その代わりに労働賃金を安くしてコストを抑えているため、手頃な価格で購入することが出来ます。

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ファストファッションはメリットばかりでは無いです。
デメリットを考えてみましょう。

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まずは、流行に合わせて短いスパンで生産されるので店頭に並ぶ時期が短いことです。例えば、ファストファッションで人気のし〇むらは次に行ったっら在庫が無いことが多いですよね。
インスタみると見つけたらマスト買い!と書いてあること多いなと思います。

そして、一番の問題は…
先進国のエゴの為に発展途上国が犠牲になっていることです。
大量生産により廃棄される量が多いことで『環境問題』があります。
また、『労働問題』もあげられます。
安い賃金だけでなく長時間労働させられ、人権問題にも発展しているのです。

廃棄された服はどこへ

クローゼット整理をして、毛玉だらけやシミがあってもう着れない服を廃棄することってありますよね。
処分する服を集めるとゴミ袋いっぱいになる、それをゴミの日に出して終わり。

では無いのです。

その廃棄される服は一体その後どうなるのか考えて見て欲しいです。

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こちらは環境省のサステナブルファッションが発表しているデータです。労力や手間ががかからない為、ごみとして処分するする方は69%。
ごみの出し方は自治体にもよりますが、ほとんどの方がごみとして出していることが分かります。
そして、そのごみは焼却、埋め立てされます。

環境省サステナブルファッション

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ごみとして出される衣服の総量のうち、95%が焼却・埋め立てされます。
その総量は1日平均して1,200t。トラック120台分というビックリな数です。
みなさん想像できますか?
そして、たった5%が再資源化されているのです。

環境省サステナブルファッション

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世界では、年間9,200万tの衣服が廃棄されています。
着数でいうと約3,000億着が捨てられ、最終的には多くの服が埋め立て地に積み上げられています。
腐敗した服の山が積み重なって海に洗い流され、汚染を引き起こしています。
つまり、ファストファッションは海へとつながっているんです。

忘れてはいけない事故~ラナ・プラザの悲劇~

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ラナ・プラザの悲劇と呼ばれる事故はご存知でしょうか。
2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で複数の縫製工場が入ったビルが崩落し、死者1138人、負傷者2500人以上を出した大惨事です。ビルの名称から「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれています。
ファッション業界史上最悪の事故とも呼ばれています。

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このビルには他に銀行や複数のお店が入っていたそうです。
このビルに入っていた縫製工場で働いていた多くの若い女性が犠牲になりました。
死傷者数は1200名。。

この事故の原因は、ずさんな安全管理でした。耐震性を無視した違法な増築を繰り返していました。
前日にもビルの亀裂箇所があったのにも関わらず、ビルのオーナーは無視をして操業を続けていました。

また、縫製工場の経営者は従業員をそのまま働かせていました。そして、翌朝悲劇が起こりました。

その後の事故調査では、大型の発電機と、数千台にもおよぶミシンの振動が誘因で、調査を進めると建物は正規の許可なしに建築されていて。5階よりも上の階は違法に増築されていました。

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バングラデシュはアジアの最貧国の1つで、安い人件費を目当てに、世界から名の知れたファッションブランドが縫製工場を置いています。
日本でも有名なブランドが入っていました。

このビルに入っていた縫製工場はいわゆるスウェットショップ(搾取工場)と言われるものだったそうです。スウェットショップとは違法な低い賃金で悪い環境で働かせる工場の事をいいます。パワハラ、セクハラ、レイプ、強姦、児童労働も含まれます。

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この事故は、前日の亀裂を見つけた時点でビルの立ち入りを禁止していたり、縫製工場で働く従業員たちを強制的に働かせなければ被害が少なかったのかもしれません。
大量生産、大量消費の仕組みが変わっていれば、もしかしたら違った結果になっていたのかもしれません…。

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ちなみに事故後は「バングラデシュにおける火災及び建設物に関わる協定」が作られ、欧州を主としたブランドや小売企業とバングラデシュの労働組合との間で、その協定の締結がされました。
この協定にはユニクロやH&Mも署名したそうです。
5年という期限付きの協定でしたが、その後はバングラデシュの後継機関が監視、調査しています。
また、賃金の値上げや労働法の順守などもされました。

二度と悲劇を生まない為に私たちに出来る事。

皆さんここまで読んでどんな思いですか。
少しは何か感じてもらえたら嬉しいです。

では、この事故から消費者の私たちはどんな行動をすれば良いのでしょうか。

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まずは、買い物する際にその洋服は本当に必要か考えることです。

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そして、この服はどんな環境で、どんな人が、どんな思いで作ったのか考えてみる。
洋服のその先を少し想像することで服を購入する基準が変わるはずです。そして、お手入れをして長く着ることも大切。

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エシカルファッションとは、正しい環境で正しい条件で作られた洋服を取り入れることなのではないかと思います。
ファストファッションがいけないでは無いのです。
洋服を買うときに、生産国を気にしたり、本当に必要なのか自問自答して、家にあるもので代替出来ないかを考えて欲しいです。

私たちひとり1人の消費者意識を“自分の欲”だけではなく“誰かの為”を少し加えるだけで世界は変わります。
この意識こそ『エシカル』です。

パーソナルライフスタイリスト®MAYU

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